3年ぶりに開催された鈴鹿サーキットでの日本GP。その決勝レースでのあるワンシーンが波紋を広げている。
10月9日に行なわれたF1第18戦、日本GPの決勝は、雨脚が強まった影響から2周を終えたところで赤旗中断になった。
もっとも、コース上のウェットコンディションもあって、ほとんどのドライバーが視界不良を余儀なくされ、1レース目
からカルロス・サインツJr.(フェラーリ)がスピンするなど、各所でクラッシュが多発していた。
そんなドライバーたちにとって“最悪”なレースにあって、物議を醸したのはアルファタウリのピエール・ガスリー。
角田裕毅のチームメイトとしても知られる26歳のフランス人は、1周目の途中にサインツJr.の事故で外れた広告板が
車に直撃し、フロントウイングを損傷。さらに、そのフロントウイングを取り換えて臨んだ2周目の終盤には、クラッシ
ュしたマシンを回収していた作業用トラクターにぶつかりそうになりながらも、なんとか追い越していた。
ただでさえ視界不良。そのなかで2度も“外的要因”に巻き込まれたガスリーは憤慨。無線を通じて、「おい! あのトラ
クターはなんだ! なんでコース上にトラクターがいるんだ!」と語気を強めて、こう続けた。
「僕はその隣を通り過ぎたぞ」
「こんなことは受け入れられない。何が起こったかをもう忘れたのか。信じられない」
ガスリーの言う「もう忘れたのか」とは2014年の鈴鹿でのレースでのジュール・ビアンキの悲劇的な事件を指す。当
時25歳だったフランス人レーサーは、雨の中で実施された決勝で、マシントラブルでコースアウト。その際に車両回収
の重機に追突し、帰らぬ人となった。
赤旗による中断後もアルファタウリのスタッフに「死ぬところだったんだぞ!」と怒り、動揺した素振りを見せたガ
スリー。そんな彼の振る舞いには、周囲からも同情の声が上がっている。米放送局『FOX Sports』のルイス・マヌエ
ル・ロペス氏は「運営が何も学んでいないなんて信じられない。実に許しがたい」と非難。さらにガスリーと同様に
クラッシュの危機にあったレッドブルのドライバーであるセルジオ・ペレスは、米スポーツ専門局『ESPN』で次のよう
に語っている。
「今日起こったことは絶対に受け入れられない。ドライバーの命が尊重されていないなんて信じられないし、ジュール
のことも尊重されていない」
なお、その後に再開した決勝はレッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝し、2年連続総合優勝を決めている。
注目の角田は13位に終わった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e60108800bfe4f543cbb2...
返信する